記憶できないもの
最近、こんなことを言われた。
「mikumariのにおいですね。」と。
「くさいですか?」と、冗談めかした言葉でかえしたが、その時、ふと昔のことを思い出した。
20代も半ばのころ、行くあてもない、知り合いがいたわけでもない、気の向くままに海の目の前の家に1人で暮らしたことがある。
海が好きだった。
海のにおいが、磯の香りが。
引っ越したその当時、何かの本か、テレビか、記憶があいまいだが、こんな言葉を聴いたのを覚えている。
「人は海に行きたくなる。その理由はさまざまだ。海は生命の源であること。海の景色がほとんど変わらないこと。そう言ったことはもちろんある。しかし、本当に行きたくなるのは、海のにおいがあるからだ。」と。
人の六感ですぐに記憶できないものは「嗅覚」らしい。
記憶する事ができないから、そのものの「におい」を嗅いだ時に思い出す。
だから、海の「におい」を思い出したくて、人は海に向かうのだと。
mikumariの「におい」。
とても、素敵じゃないか。
空間でも、料理でもなく、「におい」を思い出したくて。なんて言われたら。
私自身は全く気づかないが、もし本当にあるのだとしたら、その「におい」を思い出しに、また来てほしい。
そんなことを思った、初夏の夜。
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- [2011/06/09 20:44]
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